ぼちぼちでええやん。

人の動きについて根っこから理解したいと思ってます。シンプルラーニング提唱者、キネステティク理事、YOUTUBE「楽な動きの学習会」ブログは癖が強い記事が多めです。

筋肉の誤解

私たちの筋肉には

名前があり、それぞれに特定の役割がある

と思われがちだが

 

それは大きな誤解です。

 

例えば

上腕二頭筋は肘を曲げる

脚の内転筋は足を内股にする

 

など、それぞれの筋肉は

特定の運動をする役割があると思われています。

 

学校でも解剖学の授業で

起始(筋肉がついてる場所)

停止(筋肉がついてる場所)

作用(それがどう働くか)

と習ったかもしれません。

 

一見正しいとも思える考え方ですが

なぜ間違えているかというと

 

これらの解剖学は

他の筋肉や、内臓、脂肪などの組織が

省いてしまった状態で考えられてるからです。

 

学校で習ったのは

個々の筋肉を一個一個

筋肉の作用を覚えていましたが

 

私たちの

身体のあらゆる組織は

複合的には働いているのです。

 

一個一個の筋肉の作用から

人の機能を考えるのは

あまりにも無理があります。

 

もちろん学校でも

多少は他の筋肉の関係性の中で考えられたかもしれません。

 

例えば

手の背屈に関するテノデーシスアクション

肩甲上腕リズム

ローテーターカッフ

などがそうかもしれません。

※わからなければ、スルーして大丈夫です。

 

しかし

全体的の機能としてこれらを考えると

あまりにも限定的なのです。

もっと人は豊かに機能しています。

 

筋肉の役割とはなんでしょう?

 

骨を動かす?

もちろんそれもありますが

本質的ではありません。

 

骨以外も動かしてます。

舌も動かすし

目も動かす

内臓だって動かします。

足の裏の肉も動かすし

手の平の肉の張りも変えられます。

 

骨を動かさなくても、筋肉は仕事をしています。

 

筋肉の役割を

骨を動かすことだけだと考えている人は

本質的な筋肉の役割を見落としてしまうでしょう。

 

骨と筋肉だけを人体を見てしまうと

多くの身体の問題に的確に捉えることはできません。

 

学び始めはそれでいいかもしれませんが

動きの学習を続けていくならば

より深くとらえていく必要があります。

 

そもそも骨に関わらず

筋肉は何かを動かすことさえ

本質的な役割とは言えないのです。

 

筋肉で動いてるというのは

半分はあってますが

半分は大間違いです。

 

では

筋肉は本当のところ

この人体において何をしてるのでしょうか?

 

 

実は!!

筋肉とは『調整役』なのです!!

 

筋肉は縮んだり伸びたりするのは

ご存知の通りです。

(正確に言うと、縮むか、縮むのをやめるかで、伸びるのは反対側が縮むから、伸ばされるのですが)

 

ピンっと、ハッタリ

ダランとなったり

 

張力を変化させることができます。

 

人体は沢山の張力で構成されています。

 

靭帯や腱

筋膜

に張力があるのはもちろんのこと

 

脂肪にも張力はあり

内臓にもあります。

 

人体の張力の強いところ

弱いところ

さまざまなな張力で構成されており

 

人の動きは

『全て組織が関わっています』

 

筋肉に問題がなくても

脂肪がたくさんあれば動きも変わるし

靭帯が固ければ動きは変わるでしょう。

 

 

 

それだけではなく

張力があるのものが「弾む」

というスーパーボールのように

床に投げつけることで

重力は張力を助長し

 

まだ時間の経過は

ジャンプするときに

一度しゃがんだほうが

上に跳ねることができるように

張力に影響を及ぼします。

 

実にいろんな要因で

人は動いてるのだと

理解できます。

 

そう考えると

人は筋肉で動いている

 

というのが

あまりにも部分的なように思えませんか?

部分的にとらえて人の動きを理解すること

人の動きをアプローチすることは難しいでしょう。

 

筋肉の役割について

話を戻しましょう。

 

筋肉は唯一

張力をアクティブに調整することが

できる機関です。

 

しかし

他の機関は調整をアクティブに変化することはできません。

脂肪も筋膜も靭帯も

多少の変化はあるかもしれませんが、

ほぼ一定です。

 

もちろん靭帯など

高張力な部分は

重力や荷重をかけれは大きく変化しますが

自ら変化してるのではなく

あくまでも他の要因なのです。

 

筋肉はその機能を充分にいかし

それが張力が自ら変わらないグループ

をまとめて作用するのです。

 

私たちの脳みそは

全身にかかる張力の変化を絶えず

モニタリングしています。

 

それは意識することもできますが、ほぼ無意識です。

 

常に私たちの張力は動くことにより

全身的にダイナミックに変化しています。

 

その変化のなかで

適切な動きに導くように

作用するのが筋肉です。

 

決して

筋肉だけで動いてるわけではなく

むしろ筋肉以外の張力をうまく使うために

筋肉自身の張力を適宜調整し

 

脂肪も腱も靭帯も筋膜すべての張力が

うまくまとまるように作用するのです。

 

ですから、

筋肉が自分の身体の大部分を動かしているというのは誤解です。

 

もちろん

筋肉が働かなければ動けません。

それは、筋肉が自分の身体を動かすというよりも

筋肉が機能しないことで

調整役がいなくなるということですから

 

筋膜、靭帯、腱、脂肪、内臓、骨

など全ての関係性が喪失され

動けなくなるのです。

 

そこですることは

筋トレではありません。

筋肉だけが力をもっても、他の組織が連動しないと動くことはできません。

 

筋肉に必要なのは

他の組織との関係性の再学習なのです。

 

関係性をもち、それぞれの

組織の調整役としてもう一度機能することを

再学習していくことです。

 

つまに本質的に筋肉を機能的に働かせようと思うと、筋肉だけでなく、他の組織との繋がりにアプローチしていくことが必要です。

 

老化や癖、病気、ケガによって

筋肉の役割が喪失したとして

 

他の繋がりを無視した筋肉のアプローチは

機能を無視してただ、出力だけを上げることになります。

 

関係性が失われた筋肉では、いつまでも機能を回復することは難しいでしょう。