ぼちぼちでええやん。

人の動きについて根っこから理解したいと思ってます。シンプルラーニング提唱者、キネステティク理事、YOUTUBE「楽な動きの学習会」ブログは癖が強い記事が多めです。

アンチエイジングという言葉の罪

アンチエイジングのは、エイジングとは歳をとること、アンチというのは、それに反対すること。つまり歳をとることに反対するという意味です。一言で言えば老化防止です。

 

現在日本では、アンチエイジングというもとに、色々なエクササイズ、リハビリ、食事療法、スキンケアなどが開発され、実施されています。

 

あたり前の事ですが、私達は歳をとるのです。歳をとれば、老いるし、変化もします。しかしアンチエイジングという言葉の根っこには、歳をとらない事を反する=若い事がいい事だという価値観が根付いてしまっています。

 

実際は私達は歳をとるのに、若返ろうとする矛盾を抱えることになるのです。アンチエイジングをしようとする事は、その言葉を使うことは、実際に歳をとる自分への自己否定のプロセスです。

 

また、無理やりアンチエイジングのもと、若さにこだわる人は、見ていてもなんかしんどいものがあります。例えば50歳を越えてミニスカートを履くとかね。もちろん本人がミニスカートが好きで履いてるならオッケーだけど、ただ若返ろうとして履いてるのなら、それは自己否定の表現にしかなりません。

 

私達はアンチエイジングという言葉から卒業していく必要があります。アンチエイジングではなく、もっと違う価値観で年齢を重ねて行けばいいのです。

 

では、どんな価値観で積み重ねていくのか、それは成熟という言葉です。年齢を積み重ねる事、その事に対して抵抗するのではなく、積み重ねる事を受け入れ、今の自分を大切にする。

 

若い時は、若い時の良さがあり、歳をとれば、歳とる良さがある。それを、認めて今の自分と、うまく付き合う事を学ぶ。

 

若さや力を求めるのではなく、歳をとりながら、動きや、振る舞いを洗練させていく。そうする事で若い人には真似できない、凄み、美しさが出できます。それはまた若さとは違う魅力なのです。

 

アンチエイジングという言葉に囚われてると、いつまでも若さに無意識的にこだわり、歳を重ねる事の洗練さを磨く事を邪魔していまうのです。

 

好きでミニスカートを履くのも全然いいですが、50歳なら、50歳の雰囲気を魅力的にする服のコーディネートもあると思います。アンチエイジングという言葉に惑わされず、自分で本当に何がしたいか選択できることです。

 

動きに関しても、無理やり若い人を目指して自分を鍛えても、やっぱり若い人には力では勝てませんし、年々歳はさらに重ねていくわけです。しかし、自分の身体に繊細になり、より少ない力で動きを洗練させていくと、達人のような佇まいになります。これはアンチエイジングとは全く逆の方向性です。

 

人は必ず歳をとります。もし、自分がいつまでも魅力的でありたいなら、若さに求めるのではなく、今の自分を否定したり、誤魔化したりすることでもなく、歳をとる事と上手く付き合う事です。

 

アンチエイジングではなく、成熟を。

 

じっくりコトコト、美味しくなるように。

 

そのように考えると、私達がより豊かに歳を重ねて行けると思います。とっても魅力的に。

 

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