ぼちぼちでええやん。

人の動きについて根っこから理解したいと思ってます。シンプルラーニング提唱者、キネステティク理事、YOUTUBE「楽な動きの学習会」ブログは癖が強い記事が多めです。

『コントロールの本質』を知れば動きの学習が促進できます

※今回は過去のメルマガから紹介します。

 

しばらくメルマガには載せないと言っていましたが、そろそろ掲載します。この文章に出てくる「内部モデル」という概念は、今は「感覚モデル」「思考モデル」となりより明確に体系化されています。

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私たちはどのように自分の身体をコントロールしているか知っていますか?

学校では神経が収縮して、筋肉が動くと
習うかもしれませんが

そんな単純な話ではありません。

動きを学習する時に
自分の身体をどのようにコントロールしているか知ることは
とーーーても大切な要素になります。


例えば
歩行はどのように身体を操作して
あんな乱れもない歩行を可能にしているのでしょう?

凸凹の上を歩くときは、その凹凸に合わせて
坂道や下り坂も適宜調整して
誰かにぶつかってもバランスをとる

どうやって
人は無意識的に動きをこんなにもコントロールしているでしょう?


実は人は自分の身体を直接コントロールしていません。
先ほど例に挙げた神経が反応し、筋肉に信号を送る
というのは間違いではないのですが

それはただの現象に過ぎないのです。

身体は「2つのモデル」によって制御されています。

それは
「外部モデル」と
「内部モデル」です。

特に多くの人は内部モデルがあることは
知りません。

が、内部モデルが動きをコントールするのに
とっても大きな役割を持っています。

内部モデルとは何か?
と言いますと

人は脳の中に
もう一つの身体を作り上げています。

「脳の中の身体」
それが内部モデルです。

これはボディーイメージと呼ばれるものとは
違います。

頭で思い描くとか
そんなものではありません。

もっと具体的です。
身体の情報の集合体なのです。

例えば「腕」という内部モデルは
肉の弾力や質感、温度、骨の硬ささらに
他のパーツとの繋がりなどが
情報としてまとまり一つの「具体的な像」を作っています

今あなたが腕だと思って動かしていると
実感をしていると思いますが、
実はそれこそが「内部モデル」なのです。

それぐらい具体的です。

何を言っているのかわからないと
思われる人もいるかもしれません。

当然です。
自分の腕はここに現実に「存在している」
と感じているでしょう。

外部モデルと比べるとわかりやすいでしょう。

外部モデルとは
力学的でメカニクスな働きです。
組織を引っ張れば、皮膚の形が変わったり
骨を押せば、別の骨が動く
というメカニカルな働きです。

外部モデルは直接操作することはできません。
なぜなら
私たちは感覚器を使って情報を集め、
「こうであろう」という像を作るしかないからです。

人は感覚を通じて認識するしかないならば
外部モデルは現実に存在していると証明することは不可能です。

普段私たちが「存在している」と感じているものは
「内部モデル」なのです。

常に人は感覚を通じて世界を認識してるだけで
目の前のものが直接脳に届いているわけではないのです。

感覚を通じて
内部モデルを形成し
外部モデルを動かすということを行なっています。

外部だと思っているのは
それは脳の中で「像」を作っているのを
外部だと思っているにすぎません。

例えば「今スマホに触れている」
ということは明確な事実のように思えるかもしれません。

しかし実のところ
実際にスマホに触れていなくても
同じ感覚を得るように脳にフィードバックを与えると
内部モデルを形成し、
実際に触れているように思います。

iPhoneのホームボタンなんかは
iPhone7や8はボタンを押しているフィーバックを与えて
あたかも、ボタンを押しているように錯覚を与えていました。

iPhoneXにもついている
画面を押したら凹んだ感触がする3Dタッチも同じ原理ですね。

電源が切れて、その機能が出なくなると
そのホームボタンはただのくぼみであり
ボタンのように凹んだりはしないのです。

ボタンのような触感を指に与えることで
身体の内部モデルはiphoneにボタンがあると
「存在」させていたのです。


別の観点から
内部モデルについて考えてみましょう。

赤ん坊のころは
内部モデルがほとんどありません。

赤ん坊は自分の身体がどうなっているか
なんて全くわからないのです。

手がどこにあるのか
手が存在しているかどうかも
わからないのです。

しかし
実際は赤ん坊には手足はついています。
ついているのに「存在していない」
のです。

存在していないものを
正確にコントロールできるわけはありません。

ですからバタバタとよくわからないまま
なんとなく動かせそうなものを適当に動かします。

仮に、リーチ動作を発達の中で獲得したいとしても
内部モデルが形成されない限り
リーチして把持することは
できないのです。

発達の中で動きを獲得するなら
リーチの練習ではなく
内部モデルの形成を育成していくことを考えることです。

内部モデルが未熟なままでリーチの練習ばかりしていたら
逆に内部モデルの形成の邪魔にさえなり得ます。


もう一つ
老人でも前かがみになると「落ちそうで怖い」
それは普段、足を使わない習慣が出来すぎで
「足がある」という実感がないのです。
ですから怖いのです。

現実には足があるのに。ですよ。
老人の現実には「足がない」のです。

これも赤ん坊と同じで
それでも無理やり立ち上がる練習をしても
内部モデルを再形成することを邪魔しているだけなのです。

逆に「足がある」という内部モデルを形成すれば
今まで何だったんだろうというぐらいスッと立ち上がるのです。


長くなりましたが
僕らは、この「内部モデル」
に基づいて動いています。

しかし現状のほとんどのリハビリでは
内部モデルに働きかけることはしません。

内部モデルが歪んでいるにも関わらず
正しい動きをさせようとします。
無理やり頑張って覚えさせようとしたりすることも珍しくありません。

しかし
それでは、うまく動くを習得できません。
内部モデルが変化しないまま
無理やり覚えるのです。

立ち上がりにしろ
覚えてもぎこちないか
努力的か、腰や足を傷めるでしょう。
そして内部モデルはさらに歪み続けます。

それが変な癖と呼ばれるものです。


話を最初に戻しましょう。
コントロールの本質とは
「内部モデル」にあります。

私たちは
内部モデルにもとずいて
外部モデルをコントロールします。


動きの学習とは
この内部モデルをどのようにより発展や拡張していくか
歪みを減らすかなのです。


もう一度言いますが
動きの型を学習しても意味がありません。

内部モデルが歪んでるにも関わらず
強引に、型を教えることは相当無理な動作になるからです。

逆にいうと
内部モデルの歪みがとれ
身体の内部モデルが成長していけば
動きは自然にスムーズになります。

シンプルラーニング受講生は
「なんでこんなことで動きがこんなに変わるの?」
と経験したかと思いますが、
これは内部モデルに変化が及んでいるからです。

こう考えるとなぜスポーツは型を教えても
上手くいくこともあるのに
老人の歩行は型を教えても上手くいかないことも
しっくり来ます。

スポーツするような若者の内部モデルはすでに発達しているので
あとは、その発展した内部モデルを使って動作を覚えるだけですが

老人の歩行能力の低下は内部モデルの崩壊です。
動き型を教えてもどうにもなりません。

また
赤ん坊の発達プロセスは
実は内部モデルの形成なのです。

赤ん坊は
足がある!
手がある!
手に肉や骨がある!
足を動かせば骨盤がつながる!
背中を反らすとお腹が伸びる!
など
とにかくたくさんの情報を集めて
内部モデルを脳の中で作っていきます。


そして何より大切なのが
内部モデルについては「新しい考え方が必要」だということです。

外部モデル
解剖学や運動学などのメカニカルな要因ですが

内部モデルは
なにせ、情報の集まりで脳の中ですから実態がありません。

内部モデルの存在も
ほとんどの人は知らない中で

内部モデルを体系化するのは実は
とても難しいことなのです。


これを可能にしたのが
シンプルラーニングの「関係性のレベル」です。

「関係性のレベル」は
内部モデルにおいての運動学や解剖学なのです。

動きの情報を階層にまとめ
体系化したものです。


シンプルラーニング実践者コース5期は
この内部モデルを深く理解し、内部モデルにアプローチすることを学びます。
そして効果的に内部モデルにアプローチするための「新ガイドライン
を学習し、実践します。

なんども言いますが
身体のコントロール
この「内部モデル」に基づいて動いているのです。

コントロールや身体の使い方を上達させていきたいなら
内部モデルについて深めていく必要があるでしょう。

そしてそれが可能なのは
シンプルラーニング実践者コースだけなのです。

シンプルラーニングはかなり進化しています。
進化しないと学んでいてもつまんないですからね。
そして進化は急にぐぐっとおきます。

もし受講されない方も
この考え方は最初はわかりにくいかもしれませんが。
非常に重要なので、自分で咀嚼してみてください。

多分、この内容はしばらくブログには載せません。
それだけ貴重なことですから。

個人的に「適応応答の概念」と同じか
それ以上のものだと思っています。

どうしても紹介すると宣伝みたいになってしまいますが
学べる機会を紹介するのは僕の責任だと思います。

無理に来て欲しいとか
そんなのは一切ありません。

せっかくの新しいことを
学べる機会と興味ある人と共に
一緒に楽しく共有できれば何よりです

 

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