脳の『使い方』を学ぶのがシンプルラーニング
シンプルラーニングではどのように「動きの情報」を扱って、歩行や寝返りなど日常生活動作などを学んでいくのかを実践的に学習して行きます。
言い換えると、脳の使い方の学習です。脳の機能的特性を知り、機能的に脳を使うことを学びます。
中身の具体的は構造についてはほとんど触れません。脳のなんとか核や、なんとか神経路という話は全くでません。シンプルラーニングは機能的神経学とでも言ったらいいのでしょうか。動きと神経の特性を扱い、動きの学習を誰もが実践できることを目的としています。
パソコンに例えると非常にわかりやすいかと思います。パソコンは中身がわからなくても、どのように挙動するか知り、その力を引き出すように使い方を学べば効率的に使うことができます。中身のCPUがどんな性能がどんな構造で、電流が基盤の上を流れて、、、なんてことは知らなくてもパソコンを上手に使うことは可能です。
もちろん中身に関しても知っておいたほうがいいでしょう。しかし中身を知っていても「使い方」を学んでいないとパソコンは扱うことはできません。またCPUをとっかえ引っ換えできない人体ならば、特に今あるCPUを効果的に使うことを学ぶ必要性はパソコンよりも高いと思います。
ここで人間の動きに話を戻しましょう。
一般の人は脳の中身についての知識はありません。しかし人は発達の中で脳を効果的に使い歩くことやそれ以上に複雑に動くことも可能にしています。ほとんどの人が「どうやって歩いているのですか?」と聞いても「わかりません」と答えるでしょう。
「歩き方」を知らないのに「歩いている」のです。それは脳が動きの学ぶという機能があるから、知らないけどできるということが可能なのです。発達の自然なプロセスでは学ぶ力は基本的に自然とは出現するのですが、大人になると事情が変わってきます。また病気や障害などでも学ぶ力を引き出すことが必要になるでしょう。
私が普段関わっているも方も加齢や病気などにより、再び歩くことを学ぶ必要があるのです。その時に役に立つにはやはり脳の「使い方」だと思います。
シンプルラーニングは使い方に特化してる分、とても実践的ですぐに応用できる概念になっています。また難しい言葉が出ないのでいろんな動きの支援をする職業の人が学ばれています。先ほどカッコつけるために機能的神経学と書きましたが、そんな言葉でさえシンプルラーニングは使いません。難しい言葉は学習を阻害すると知っているからです。
このセミナーは理学療法士や作業療法士から、看護師や介護福祉士さん、いろんな職種が多様に学ぶことできます。
筋肉の収縮から行動の変化レベルまで幅広くリハビリテーションのアプローチの中で、また介助やケアの中で動きの学習は実践されています。