1つの姿勢や動きをみて、全てがわかるほど人間は優秀ではない
皆さん
患者さんや利用者さんこ座位をどのように評価しますが??
よくあるのは
端座位をとってもらって
骨盤が後傾位で、脊柱は丸まり、右肩が下がって、腹部は低緊張で、、、
というような姿勢分析をしますが
それで座位のことは本当にわかるのでしょうか?
もしかしたら
たまたま、そのような姿勢をとっていたのかもしれません。
例えば皆さんも
昨日株で一千万円の借金を背負ったら
きっと同じように
全身脱力して、背中を丸めてダランと座るかもしれません。左右対称な人間なんてそうそういませんから、どちらかに傾いてるでしょう。肩も自然と片側が下がります。
自分がこうに違いないって思ったことも
全く見当はずれなこともあるのです。
極端な話をしているように思うかもしれませんが、薬の副作用だったり、うつ的な要素だったり、抗精神薬、体調不良など色々と原因はあるものです。
座位を理解しようと思うと
1つの動きだけでは到底理解できないのです。
それは分析でもなく
ただの予測です。
たまたま当たるかもしれないし
当たらないかもしれない。
そんなものです。
私もパッとみて相手の動きがわかるかと言うとわかりません。あくまでも予測はできるますが、その程度です。
ちょっと見ただけで、全てわかるほど優秀な人間ではありません。そんな天才はいるのかもしれませんが、少なくとも私には無理です。そんな能力はありません。
ではどうすればいいのでしょう?
それは
その人の座位を色々と
検証作業をすることです。
例えば
ずっと座ってたらどんなふうにするのか?
右に傾けみたらどうなるか?
色んな方向に揺れるか、揺れたらどんな風に?
会話した後と、前では座位に違いがあるか
座ったまま弾めるか
背もたれにもたれてリラックスできるのか
座位で片足あげえ振り回しても平気か
お尻半分だけ椅子に乗せて楽に座れるか
など沢山動いて
沢山検証して
初めてわかることもあるのです。
なんか最近気になることはありましたか?
と聞いてみるのもいいでしょう。
実際に触れてパーツレベルや皮膚肉骨の関係性で検証するのもいいですね。
ちなみにこの『座位』って言葉を『立位』に変えても、『四つ這い』や『寝ている動き』に読み替えてもオッケーです。
スポーツや楽器演奏の動きに当てはめても構いません。その動作だけで判断するのではなく、やはり色々な動きの中で何を学べばよいか検証していくことが必要です。
話を座位に戻します。
実は患者さん自身も
自分がどんな風に座ることが、座ってどの程度動けるのか知りません。
自分のことがわかってるようで、案外わかってないものです。
色々と検証作業を自分の身体で試すことで
自分が得意なこと
不得意なこと
学ぶ必要があること
もう学べていること
などが分かってくるのです。
相手と一緒に様々に検証作業をすることは
相手が自分のことを知るプロセスでもあります。
漠然と何が得意で苦手なのか実感のないまま学習をするのと
自分の得意不得意が整理された状況で学ぶのであれば、
学習効率はかなり変わるでしょう。
むしろ、自分がこんな風にしてるんだーって気づくところですでに学びが始まっています。
自分のしてることが明確でないのに
どうやって、新しいことを学ぶのか。
学んでも何が新しくて、何が古いのか区別つきません。
動きの学習のスタートは
基本的に今していることに自分で気づくことをサポートするところから始まります。
動きの学習をしていて
どうも学んでるのか、学んでないのか
わからないなら、この検証作業をしっかりすることをオススメします。
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