分析は比較の中で
動きを分析する上で多くの人は一つの動きだけみて、どうなっているか分析しがちです。例えば、立位を見て、骨盤が傾いている。肩が下がっている。というように。
しかし、機能とは多様性の中で理解する必要がありますから、このような見方だけでは姿勢は見れても、機能は見れないのです。
もしかして足が痒くて、たまたま傾いてるだけかもしれませんし、嫌なことがあって傾いているのか知れません。そもそも「傾くのも大切な機能」です。傾くことができなければ生きていくのは大変になります。
僕らは多様な動きの中で、この多様な環境を生きていくのです。
まっすぐとしか立てないのなら、まともに生きていくことはできないでしょう。
今回は動きの多様性についてではなく、分析ですので、話を「動きを分析する」といういことに焦点を当てていきたいと思います。
私たちはどんな風にして立位の機能を見分けていくのでしょうか?
それは立位で
「できること」と「できないこと」
「得意なこと」と「不得意なこと」
を明確してくことが機能的な立位という視点では必要です。
立位といっても、まっすぐ立つだけでなく、傾いたり、前に揺れたり、片足で立ったり
反ったり、曲がったりと実にいろんな動きがあります。
それらを実際にやってもらいながら
楽にできること、とってもしんどいこと、できないこと
などを分けていくのです。
そうして相手を知るうちに
立位という機能が明確になっていくのです。
機能とは「どれだけ色んな動きが楽にできるか」です。
機能とは動きそのものです。
機能を知るのに、じっと立っている姿勢だけで、細かく見ても
わかることは限定されてしまいます。
あくまでも動きの中で見るからこを、機能がわかるのです。
これは何も立位だけではありません。
座位であっても、どれだけ色んな動きが楽にできるか
仰臥位であっても、どれだけ色んな動きが楽にできるか
です。
移乗動作であっても
椅子から椅子への乗り移りが、どれだけ色んな動きで楽にできるか
です。
関節の動き一つとっても
肩関節がどれだけ色んな動きが楽にできるか
または複数の肩甲骨・上腕骨・鎖骨が一緒にどれだけ色んな動いが楽にできるか
筋肉の収縮をとっても
腹部の筋肉が、どれだけ色んな動きが楽にできるか
です。
余談ですが、筋肉の収縮を0と100なんて考えてはいけません。0,30,70,90と色んなボリューム調整ができることが、色んな動きができていることの一つになります。
立位や座位も骨や筋肉、軟部組織の集合体なので、全てに同じ傾向があるのは当然といえば当然ですね。
このように、機能的な動きを分析するためには、じっと姿勢を見たり、一つの動きのみを見るのでなく、色んな動きを試して、比較して、理解していくものです。
そして、その苦手な動きと得意な動きを比較しながら、身体や地球との関係性を類推していくのです。
機能とは単体で存在しているものではなく、つながりの中で機能します。多様なつながりを学習していくことで、色んな動きが可能になり、多様な環境で楽に生きていくことを可能にします。
筋肉と骨の改善は立位の改善につながるし、座位の機能の改善は歩行の改善にもつながります。筋肉と骨の多様なつながりは、立位の多様性につながっていくし、座位での骨盤と座面の多様なつながりは、立位でのバランスに大きく影響します。
シンプルラーニングは機能をこのように
動きの中で捉え、運動連鎖のようは身体的なつながりだけでなく、筋肉や骨のつながりから、座位、立位、歩行のつながりまで、より広く動きや機能を考える概念があります。
それが「関係性のレベル」です。
関係性での動きのつながりを理解することで、人はより機能的になれます。
それがわかることでベッド上で片足で床を踏んでベッドで背骨を捻ることが、歩行や立ち上がりや、更衣動作などにつながっていることが理解できます。座位で食事を取ることが歩行につながっていることとかも理解できていくでしょう。
「関係性のレベル」は多様なアプローチや関わり方が可能にしてくれます。
また興味があればセミナーもしてますので、気軽にご参加くださいませ。
シンプルラーニング協会