動きの自己学習を伝えるポイント
自主トレというと皆さんはどんな事を提案しますか?
おそらくですが
こんなことをして下さい。
とか、これを一日中20回して下さい。
と「何かすること」を提案すると思います。
一般に自主トレではこんな風に指導するかもしれませんが、動きの自己学習ではこんな風にはしません。
なぜなら、身体を鍛えるのではなく、動きの習得や洗練することが目的だからです。僕はトレーニングではなく、動きの学習がしたいのです。
いくら教科書に載っている動きを行うように指導しても、それを無理やりしても、動きは上達しません。さらに下手の動きを何回もやって、下手な癖を強化して欲しくないのです。
適当に繰り返しても、動きは学びません。もしくは学ぶけどとても不効率です。人には学ぶ力がありますが、それを上手く引き出していくことが自己学習を成功させるポイントです。
トレーニングは決められた動きをすることがほとんとです。しかし、学習は自分の向上したい動きにつなけるために学びます。何をするから、自分のしたい動きの中で決めます。
ご存知の通り?シンプルラーニングに動き方の正解、不正解はありません。どんな動きでも、自分の身体をより機能的に使い、楽に滑らかに出来ることが目的だからです。努力的な動きの不正解も正解にしていまうのです。
限られた動きを繰り返して鍛えるのではなく、動きを洗練していくためにはどうすればいいか?ということを考える必要があります。
動きの自己学習で何をすれば良いか?
はその人がしたいことをテーマにすればいいのです。
ただ、その人がしたい動きが難しい場合は、それに繋がる簡単な動きを提案します。
独歩で歩行が難しければ、手すりをもって歩くとか、
立ち上がりが難しければ、まずベット上での骨盤のコントロールとかです。
それは色々ありますが、動きを繋がりの中で理解することが必要です。それはシンプルラーニングのアドバンスコースや、実践者コースで扱います。
自分で学習するために、何をすればいいのかが決まったら、それで終わりではありません。何をするかの前におさえとくことがあります。
肝心なのは、それをどのようにするか?
どのように学ぶか?です。
何をするか決めても、前述したように、学び方がまずいと、無理やり動かしても癖が強化されたり、下手になるだけです。
動きを楽にスムーズにしていきたいわけですから、がむしゃらに無理やりしてもらっても意味がありませんし、逆効果にもなりかねません。
ひつこく言いますが、トレーニングしてるではなく、したい動きを練習や学習をしていると捉える事です。
練習や学習とするなら、自分の癖を繰り返してやるのではなく、新しい動きのパターンを獲得する事が目的です。
努力的な歩行が、力を抜いた楽な歩行になるとか、そういうことです。動き型だけでなく、動きの質も大切です。
学び方を深めて実践したいのなら、シンプルラーニングの概念である、人が学ぶための必要な条件、つまり「学びの要素」を生かした自主学習が大切です。
学びの要素は4つ
「比較」、「安全」、「時間」、「参加」
ですね。
学びの要素の細かいことは述べませんが、注意深くじっくりと自分の動きに向き合っていく必要があります。
具体的にいうと、とてもゆっくりとした動きで、その動きがスムーズに毎回変化しているかどうか、常に確認しながら練習していく必要があります。
一回、一回を滑らかにいってるかどうか、身体のわずかな反応や応答を感じながらすることは、とてもゆーーーーーーーくりすることでないと、できないのです。
僕はよくまずリラックスして、呼吸を楽に、それからナメクジが這うぐらいの速度でやってみましょう。と提案してみます。
実際にナメクジほど遅くしなくてもいいですが、ほとんど人は僕からすると、ゆっくり動いてるつもりで速すぎるので、ちょっと大げさな表現をするぐらいのほうがちょうどいいことが多いです。
実際にやってもらいながら、動きに繊細に向き合えてるか、雑多にしていないか。そんなことをしっかりと相手と確認しながらします。そうすると小さい動きを数回するだけでもとても集中力を使い、脳が疲れてきますが、それぐらいでいいでしょう。疲れたら休んでください。
動きの学習において、大切なのは
何をしてもらうかではありません。
学習をどのようにするか?
です。このようにすればいいよという答えを教えるのではなく、どうやれば、自分のしたいことが学べるようになるのかを学ぶのです。
1番大切な自己学習をサポートするポイントは
自分で自分の身体を教育する方法を学ぶことです。
答えを教えることは、一件、役に立つように思いますが、そこに行き着くまでの必要なプロセスを飛ばしてしまいます。生まれたての赤ん坊を歩かすようなものです。
学び方が上手くいくと、今度は無理なく動きを積み上げていくことを考えてみてください。多くの人は今やろうとしていることは、他にまず学ぶ必要があることがほとんどです。多くの人は結果のみを求めますが、そうはいきません。
他に何を学べばいいかは、専門家として、その人にとって、すこーーしだけ難しい動きを提案してみればいいですね。難しすぎないほうがらいいでしょう。提案するにしても、もちろん学び方がちゃんとしてることが前提ですが。ただその動きがやってみて、難しいそうならまた違う動きを考えてみてください。何をすればよいかに執着する必要はありません。
まとめとして、自分で自分を教育する方法がわかれば、患者や利用者は自分のしたい動きを少しずつ無理なく学習していけるでしょう。
逆に何をすればいいのかにこだわり過ぎると
無理をしてもやり続けるし、自分の身体にあまり注意が行かないものですか、動きがおかしくなってることにも気がつきません。
回数をこなすことばかりで、上手くなったかどうかを疎かにしてしまえば、本末転倒です。
自己学習をサポートするなら、まず自分で自分を教育する体験をしてもらってください。そこからまず、患者や利用者が自分で「動きを学習するこはこういうことなのか!!」と明確にしていくことに時間をかけましょう。
何をするかは、その先にあるものです。学び方を疎かにしては、何をしてもいつまでたっても学びませんし、学んだとしてもとても不効率でしょう。
皆さんもよかったら、今目の前の人はどんな風に動きと向き合ってるのか、どんな風に学ぼうとしてるのかな?など考えてみてくださいね。まず自分自分がらどう向き合ってるのか振り返るのもアリです。