ぼちぼちでええやん。

人の動きについて根っこから理解したいと思ってます。シンプルラーニング提唱者、キネステティク理事、YOUTUBE「楽な動きの学習会」ブログは癖が強い記事が多めです。

感情ってなんだろう④ 健やかな精神を育むためには?

精神的な問題に関して、どのようにしてアプローチしていけばいいでしょうか?

 

 

※まずは先にこちらの記事からどうぞ

 

感情ってなんだろう① 身体感情について - ぼちぼちでええやん。

 

感情とはなんだろう② 思考感情 - ぼちぼちでええやん。

 

感情ってなんだろう③ 身体感情と思考感情の関係 - ぼちぼちでええやん。

 

基本的なアプローチとしては、身体感情がベースですから、そこを安定しないまま思考感情がコントロールできるものではありません。

 

お腹って減ってる時は人はイライラし、熱いときはぼーっとし、転倒しそうな時はドキドキするものです。これも身体感情ですが、その状態で、あれこれ考えることは一般の状態では不可能です。

 

過剰な残業続きなら、休まない限り心は元気になりません。意識高く持っても、ストレスマネジメントしても残念ながら身体感情をケアしないと限り仕組み的に難しいです。

 

まぁ、簡単に言っちゃえば、あれこれ悩む前に自分の生活を見直し身体のケアをしましょう。ということです。

不快や転倒の恐怖を減らし、快適になるように身体のケアを優先します。

 

つまり寝てなければ、しっかり寝る。便秘ならばまずそれを解消する。疲れているのなら休む、風呂に浸かる。栄養不足なら、美味しいものを食べる。そんなあたりまえと呼ばれることを案外後回ししがちです。

 

生活に心地よさを増やしていく。これこそ精神的な生活リハビリそのものです。生活リハビリというと生活の中で頑張ることと思われがちですが、そうではなく、生活を通して元気になっていくということです。

 

毎日の生活の中で快が増えると、自然と日常のイライラや、過度に焦ったりすることも減っていきます。最近はよく筋トレさえすれば精神も安定するし、全て解決なんて言う人もいますが、まさにこの身体ケアの一種です。適度な運動して汗流しせば自然とスッキリ気分よくなり、悩むことが少なくなるのです。

 

ここで強調したいのは、これからの精神アプローチに身体にもとづく感情を無視できない。ということです。特に認知症や、鬱、トラウマなどの病的な症状の場合カウンセリングなど精神的なアプローチに終始しないようにすることです。それらは思考感情に働きかけますが、ベースの身体感情がグラグラだと余計に混乱することが多いのです。身体感情に働きかけることをベースにしなから、思考感情に働きかけていくことが基本的な精神面のアプローチになります。

 

ちなみに思考感情では、捉え方の多様性を学習してください。一個のことを信じ込む系はやめたほうがいいです。大半はごじらせます。多様な捉え方を知ることで、物事を柔軟にとらえることができます。これが正しい!!と一つのものにこだわること自体が、苦しさを生みます。

 

それよりも意識高い時もあれば、低い時もええことあるよね〜、生きてるだけで十分えらいよねなど、様々な視点を吸収してみることをおススメします。

 

まとめると、健やかな精神とは、しっかりご飯食べて、寝て、お風呂入ってトイレ行って、たまに運動しましょう。その隙間に視野が広がる自分にはない考えをたくさん取り入れましょう。ということになります。

 

こうやって文字にすれば当たり前のことですか、案外アプローチが偏ってしまうのです。精神的な問題なら、考え方ばかりにフォーカスをあてるのではなく、その人の過ごし方を豊かにしていくと。また身体感覚に働きかけることで、思考が安定していくこと。そして思考は多様性をもつこと。健やかな精神というのは、こうやって育まれていくのです。

 

認知症なら便秘で、せん妄状態で全く落ち着かない症状になるこは知られていますし、脱水でソワソワしたりぼーっとなる人もいます。トラウマなら、ゾワゾワする身体感覚のフラッシュバックに対してアプローチする必要ありますし、鬱ならまず身体を休ませないといけません。

 

ただし、思考感情が強すぎる、身体感情が抑制されている場合、例え仕事しすぎて自分の身体に悲鳴を上げていることが気づかない、何かを盲信することでストレスに気づかない場合、この場合はあれこれ思考の多様性を訴えても難しいです。

 

その場合も、やはり身体感情から働きかけていくことが必要です。身体感情に注意を向けることで、少しずつ自分のベースを取り戻していく必要があります。自分の身体を感じられるようになったとき、初めて自分が傷つき、痛み、疲れていることに気づきます。気づくことで、自分に今していることが必要ないことがわかります。逆に気づかない限り、今の行動を変えることはできません。

 

全体のまとめ

精神や感情というと、思考ばかりにフォーカスを当てられてしまいますが、実は身体感覚がものすごく重要です。

 

逆に動きの問題は筋肉ばかりにアプローチが向けられますが、私達は筋肉が収縮するときも感情の影響は受けるのです。

 

人が動いているとき、心も身体も動いているのです。

人が止まるとき、心も身体も止まっているのです。

 

人の動きの理解を深めるならば、心と身体の両方を見ていく必要があります。健やかな精神とは、健やかな動きである。という視点が欠かせないのです。

 

おわり