何かをすればよいだけでは、問題は解決しない
よく身体が固い人に動きの学習を手伝うと
柔らかくするために何をすればいいですか??
と聞かれる事があります。
僕はだいたいその質問を言われると、内心少しだけ困ってます。
多くの人が言う事だし、僕もきっと動きの学習をしてなかったら同じように思うので、言ってたとしても、全然大丈夫です。気にしないでください。
なぜ困るのかというと、
多くの場合、何かをすればいいでは解決はしないからです。
毎日の体操は何をすれば?
何を普段のリハビリですればいいですか?
どんな運動をすればいいですか?
こういう質問は多いかと思います。
ただ、この質問にはそのままえ答えられません。なぜなら
その時何をすればよいか
どのように動けばよいか
だけだと不十分なのです。
例えば、毎日股関節を円のように動かして下さい。
とアドバイスしても十中八九上手くいきません。
なぜなら、
家に帰って言われた事をやるとします。
実際に股関節を回すことを
結局今までのやり方や以前の癖で回すのです。結局やってることは、慣れた動きの繰り返しになってしまったり
癖をとらずに無理矢理動かして
組織負担をかけたり
回すことだけに集中して
痛みがあっても、やり続けたり
乱暴に動かしたりする人が大半です。
股関節の動きを学習するのが
目的であって
今までの癖の強化や
癖があるまま動かすこと
身体を痛めたりする事が目的ではないのです。
別に相手が悪いわけではありません。
こちらの伝え方の問題なのです。
ではどのようにお伝えすればいいのでしょう?
やり方だけを教えてはいけません。
やり方とプラスして、どのようにするかを伝える必要があります。
股関節を回すにしても
まず、どのような目的でするのか明確にします。
余談ですが
多くの人は動きの問題の中で、柔軟性を高めたいと思っています。その場合でも、これは動きの学習であり、自分を邪魔して癖を、新しい楽な癖に身につける必要があると伝えます。
ストレッチや可動域訓練をしなくても、脳の筋肉のコントロールが向上すれば、自然と組織は柔らかくなるし、柔らかく動く事で、組織の柔軟性は維持されます。
ストレッチも効果はないとは言いませんが、結局無理矢理伸ばす事で、組織がもろい人は怪我しやすかったり、物理的に外部から伸ばしているだけで、可動域が広がっても使いすぎたパンツのゴムみたいに筋肉の適度な張りがなくなってしまうのです。
事実、従来の静的なストレッチはパフォーマンスを下げるとされてますし、僕もストレッチをする事で筋肉の出力が下がるのは経験するところです。
柔らかく動くためには、物理的なものではなく脳の筋肉のコントロールの学習にはなりません。
ストレッチを、しなくても、筋肉は自ら緊張を手放す事で緩みます。可動域も無理矢理グリグリしなくたって自然広がります。
ストレッチ神話もようやく変わっていってます。昔から言ってたのですがなかなかです。
スポーツ選手では、運動を始める前に静的なストレッチをする人は今はもうほとんどいないのではないでしょうか。運動後はまだやってる人もいるかと思いますが。
話を戻しましょう。またこのあたりの話は別の記事に書きたいと思います。
ここでは股関節の動きの学習をしたいと思います。
では、どのように動かせばよいか。
ゆっくりと丁寧に。
心地よく動かして、乱暴にしたり、無理矢理やらないで下さい。
と言い、実際にそれができるまで
見せたり、やってもらい付き合うのです。
そうして相手はどのようにすればよいか
理解できます。
多くの人は何かすればいいと思っています。
何かをやれば解決すると思うから、何をすればいいのか聞くわけです。
しかし、結局のところ
やる事は同じでも、そのやり方次第で良くもなるし、悪くもなります。
反対にやり方が丁寧だと何をしても大丈夫です。やろうと思っていた事と違う事でも自分が思いもしなかった事を発見できるかもしれません。
例えば股関節の動きをするのではなく、首の動きや、肩の動きをゆっくり丁寧に、心地よくすると股関節と首や肩のつながりがわかるかもしれません。
どちらかというと、何をするかよりも、どのようにするかが重要です。
しかし、多くの人は何をするかを優先し、どのようにするかが疎かになりがちです。
この記事の締めくくりに
動きの学習においてどのようにするか、1番わかりやすものを紹介します。
ゆっくり時間をかけて
丁寧にじっくり
心地よく
です。
もし相手をサポートするなら
何をしたらいいか聞かれても
付け足して、これを相手に伝えてみてください。なんなら一緒に練習してみて、体験してもらうのが良いでしょう。
自分で体操や、どこかの身体を動かす練習の時に思い出してやればよいでしょう。
この中には、シンプルラーニングの学びの要素がふんだんに含まれております。
人は何をしても学びます。
ただ、何をするかよりも
どのようにするかを磨くと
学びはより促進されていくでしょう。
それが学び方を知るという事でもあり、
学び方を学ぶことでもあるのです。