内側と外側の神経系
人には内側と外側の神経系がある
外側は思考や考え方、イメージであり
内側はあり方や感覚である
外側は意識的であり
内側は無意識的だとも言える
動きを学習してもらうとき
このようにやればいいよ。
というのは
外側の考え方を教えたことになる
当然
やり方だけを知らない人は
それで出来ることもあるが
内側の感覚がついてこないと
出来ないし
出来たとしてもぎこちないものになる
外側である方法論のみを伝えるという事は
内側の神経系に
準備が出来ていればよいが
多くのできない場合は
やり方を知らないのではなく
自分のあり方、つまり感覚の受け取り方
が上手く出来ないので
やり方を知っていても
出来ない、もしくは下手なのだ。
上手く取り繕える人もいるが
長期的にみるとボロがでたり
自分が苦しくなる
常に内側を誤魔化してる状態だから
そして
立つ、座るなど
基本的な人の動きは
やり方を知らないのではなく
感じ方、受け取り方が混乱してるのだ
嘘だと思うなら
街の人にでも聞いてみるといいだろう
あなたはどうやって歩いてますか？
あなたはどうやって立ち上がってますか？
多くの人はきっとこういうだろう
そんなのは知らない
と。
不思議な話だ。
歩けてるのに
立ててるのに
やり方を聞かれるもわからないのだ
人の動きなんてそんなものだ。
多くの人は
外側の思考ややり方ばかりにこだわるが
こだわる必要があるのは
内側の感覚やあり方なのだ
人は
無意識に動いているなら
無意識で動けるようになる必要がある
考えて動くのは
限界があるばかりか
考えすぎて
内側を抑制しかねない。
出来ないことを
意識して無理矢理やっても
動きはよくならないし
ぎこちなくなるだけだ
意識して無理矢理できるのは
すでに内側の神経系が
確立されている人だけで
そんな人は
基本動作がある程度スムーズにできる状態の人
つまり
スポーツや趣味をする場合は
外側だけでも、充分上達する
楽器の使い方
ボールの蹴り方を指導すると
上手くなるだろう
しかし
目の前の歩けない人や
立てない人
寝返りが出来ない人
そもそも寝る姿勢がしんどい人
こんな人はには
内側が変わる必要がある
これを理解しとかないと
内側の人に
やり方を教え込むのは
外側が内側を、抑制していることになる
例えば
このように立ちがりましょう
とか
車椅子からベットに乗り移りするとき
ここに手を置いてください
だとか
歩くときは踵から歩きましょうとか
膝の正しいアライメントに矯正するとか
筋肉はこんな風に動きます
関節はこんな風に動きます
など
多くの人は前腕に二本の骨が入ってることも知らないけど、実際動かせてるのだ
僕らはイメージ頼る前に内側の神経系に動きをコントロールする仕組みを備えている。
感じるのとイメージすることを
一緒にしないこと
それは全く別のプロセスなのだ
内側が確立できてないのに
外側ばかり伝えると
いくらそれが正しくても
その人の動きの学習の邪魔をしかねない。
動きに正しさを求めてしまうと
自然と方法論や正しさを
その人に当てはめしまうことにもなる
つまり
援助者も最初に学ぶ必要があるのは
方法論ではなく
動きと向き合う自分のあり方なのである
正しさばかり追いかけてるのではなく
自分が相手と人として
どう向きあうか
自分の内側の神経系を磨く必要がある
その探求をしない限り
いつまでも正しさを押し付ける
つまり
外側のアプローチしかできないだろう
時代は変わりつつある
いつまでの
大脳で考えたり、イメージする動きだけではなく
もっと原始的な脳からの動きにアプローチできるように
ロボットにプログラムを入力するようなものではなく
綺麗に狂いなく作りあげるプラモデルのようなものでもなく
生物自らが、歪みや失敗の中で
自分のあり方を
探索し、発見するように
その人らしく機能できるように
そして
思考やイメージにとらわれず
内側の神経系をもう一度確立できること
そんな学びが必要なのだ。
この学びは
やり方とかを教える前の
根本的な段階だ
だけと
ここを間違うと
全て変わってくる重要な部分だと思っている
