動きを回復するために根本的に必要なこと
何らかの病気や障害による動きのしにくさを伴うものは
動きの回復はただ筋トレやストレッチをしただけでは難しいと思います。
基本的に健康で社会生活が問題なく送れる人は
ジムに通ったり、ストレッチをすることは、方法にもよるけども有意義なのかもしれません。
例えば、脳梗塞や寝たきりによる拘縮、老化も含めて
日常の生活が難しくなる人、努力的になる人は、筋トレをするレベルにはありません。
もっと根本的なことから回復を手伝わないと、筋トレやストレッチが体を固めてしまったり、壊してしまうことも珍しくありません。
経験上、筋トレして効果があったという動作を見ていると
ただ棒のように固くなったから、立位がとれるようになった人が多いです。棒なので立位はとれますが、動作はぎこちないです。これは回復と僕は呼んでいません。
そういった視点で動きを見ると、僕は作業療法士として老人分野で10数年仕事をしてきましたが、いわゆるトレーニングによって機能が回復した例は、ほとんどないのが実情です。
逆に機能が回復する人は、ある種の共通点があります。
その人たちは、筋トレやストレッチをしていないというものありますが
回復するプロセスに共通点があるのです。
それは何かと言うと、身体の「質感」が回復することです。
皮膚の適度な張り感や弾力性、明らかな肉感という質感そのものが回復するのです。それらが回復した時、自然と動きが回復していることが多いのです。
寝たきりで長時間過ごしている人でも
足を見ただけで、仮に関節が固まっとしても、だいたい「立てそうもない足」か「何だから体重を支えそうな足」かはだいたいわかります。
逆を言えば、質感が回復して立てそうな質感になれば、たとえ、関節が固くなっていたとしても、足は立とうすると思います。
質感を高めるためには、アプローチの中で筋緊張という見方だけでなく、それぞれの足の特徴を捉える必要があります。一つの足と行っても、他人の足の質感はまた全く違う足です。
そのような質感さえ、情報として捉える事で、初めて機能の回復というステージに立つことができます。
骨むき出しの質感だと辛い。