ぼちぼちでええやん。

人の動きについて根っこから理解したいと思ってます。シンプルラーニング提唱者、キネステティク理事、YOUTUBE「楽な動きの学習会」ブログは癖が強い記事が多めです。

動作分析には「構造的分析」と「機能的分析」がある

 

 1.分析は大きく分けて2つしかない

現在リハビリテーションや整体などを含めて、人の動きを分析する手法は2つに大きく分ける事ができます。

 

それは

 『構造的分析』
 と
 『機能的分析』
 です。
 

2.構造的分析とは何か?

構造的分析とは、「形」を基準にする分析法です。人間の構造を元にした分析の仕方です。人間の構造状、このように動いたほうがいいだろうと論理立て、そこから正しい動きを考えます。
 
実際には、正常と言われる人の動きを研究したり、データ化した考え方を基準にして患者さんや、利用者さんの動きの偏りを比べる手法です。

 

構造的分析に基づくアプローチを大雑把に言うと、正常の人はこのように動き、このように筋活動をするけども患者さんはできていない。

 

その分析に基づいて、そこの筋肉にアプローチしたり、正常な動作になるように訓練しようという考え方です。つまり正しさというものに近づけるためにことが目的になります。老化を例にすると、年寄りは筋力が衰えるから、少しでも鍛えて若者に近づける事で、老化を予防しよう!という考えになります。

 

現在の主流のアプローチはこの分析手法かもとになってる事が多いです。昔から行われている分析方法です。
 

3.機能的分析とは何か?

一方、機能的な分析法とは動きを「機能的な側面」から考える分析法です。
 
ちなみに機能とは、「したいことを多様なパターンで上手くする能力」の事です。機能的な分析法は正常との違いを比べるのではなく、なぜ、その動きが難しいのかを体や環境との関係性において分析します。つまり「正常」を基準にするのではなく、今の「現状」を基準に分析するのです。今の機能を踏まえ、とにかく今目の前の人が、より楽に色々したいことができるためにどうすればよいか。という視点です。
 

4.機能的分析の特徴

機能的分析は今行ってる患者さんの動きに焦点を当て、今の状態を基準にして、今よりも楽に動けないかを検討していきます。多様な障害やら個性のなかで、それをどのように伸ばせば患者の動きはやりやすくなるか、努力的ではなく、楽に動けるようになるか、そして多様な事ができるようになるかという視点です。
 
構造的分析のように、正常動作に近づいたかどうかではありません。今ここのいる人を基準にして、が 楽に動けたかどうかに価値をおきます。正常という狭い枠組みから逆に離れることで個々の多様性を尊重できるようになります。個と寄り添って行くのです。
 
何らかの重度の障がいや、寝たきりの人、拘縮が強い人、背骨が変形してしまって、正常な構造と言われるものにすぐに戻れない人に対しても構造は戻せないかもしれませんが、「機能」は明確に伸ばす事ができます。できる事が増えるように、また今してる事が楽にできるように個々の状態に応じた動きの学習がサポートできるようになります。誰かが決めた正常なんて気にせず、本人の持っている構造の中で、より機能するようにアプローチをしていきます。
 
ここで気をつけてほしいのは、代償動作の獲得という安易なものではありません。その人が、無理なく、質よく機能するためには、身体全体の使い方を、もう一度変えていく必要あります。代償動作は基本的に一部を過剰に使ったり、努力感が高まる質の低い動きです。それは、機能的な視点でみても、機能は低いと考えます。代償動作を獲得しても、機能が高いとはなりません。
 

4.老化を例にして考える

老化を例にすると、筋力低下は年をとると自然に起こるものです。それを正常に近づけるためには構造的な分析が必要です。
 
別の方法として、個人の今の身体の使い方を未見直し、今よりも機能を伸ばそうという視点もありです。たとえば若者のような力任せに動かす必要ではなく、力強くは動けなくも時間をかけて少ない力で動けば、若者には慣れないけど、今の老いた身体でもやりたいことできるよね〜って考え方です。そのためには正常な若々しい動きよりも、今の機能を分析する必要があります。
 
構造的分析は若者に近づけるように「修正」を考え、機能的分析は老いを受け入れながら動きを個性を伸ばす「成熟」をさせていきます。
 
実際に筋肉がなく骨と皮だけの90歳を越えてもスタスタ歩くおばあさんもいます。それは若者に近いわけてばなく、今の身体の使い方が上手なので機能的なのです。
 
その人にこれからどんなリハビリが良いかと考えた時に、若者のように力を獲得するようなリハビリではなく、今の身体をより楽に機能的に使うことで現在の能力を保つことが現実的です。

 

5.正常にならないなら、その人の個性を伸ばすこともアリだと思います。

というより、正常って何なの?ってことです。
 
色んな年代や、障害があるのに、身体もみんな違うのに、教科書に載っていることだけが本当に正しいのでしょうか?
 
その人にとっての正解を追求してもいいんじゃないでしょうか??
仮にそれが他の人と正解が違ったとしても、その人とっての正解があってもいいと思います。
 
そのためには、今の状態を見極めるための機能的分析をおススメします。
 
ちなみに構造的分析やアプローチのセミナーはとっても多いですが、機能的分析の考え方自体が新しくあまり学ぶ機会がないかと思います。学校でも今も基本的に構造的分析が主流です。機能的な分析を学びたいと思う人は、シンプルラーニングやキネステティクで学ぶことができます。
 
興味があれば覗いてみてください。
 
 シンプルラーニング
 
日本動きの学習協会(JMA)キネステティク

www.j-ugoki.com

 

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