赤ん坊は重力の中で持ち上げることを学ぶ
1.動きの発達とは重力とうまく付き合うことを学ぶこと
赤ん坊の発達のプロセスは、一言で簡単に表現すると、重力との関わり方を学ぶプロセスだといっても過言ではないと思います。
発達のプロセスを注意深く観察していると、多くの赤ん坊は身体を上に持ち上げいます。足や骨盤、胴体などランダムに持ち上げています。最初は努力的ですが、数ヶ月もするととても楽に重力の中で身体を持ち上げるのです。発達のプロセスとは持ち上げることの連続です。
キネステティクは重力の中で持ち上げない考え方を学びます。介助では患者や利用者を持ち上げません。相手を持ち上げずに、また自分の体を持ち上げないで、空間の中を移動することを学びます。介助する時にキネステティクの考えを使えば楽に介助ができますし、少ない力で動く必要がある高齢者の方などが知っておくととても助けになります。多くの高齢者や、動きの資源が少ない人に喜ばれるでしょう。キネステティク学習することは、動きを扱う専門家としてオススメできる学習プログラムです。
2.身体を「持ち上げても」楽に動くことを学ぶ
しかし、自分の動きをより深く見つめる時や、機能的な動きを探求したいときはさらに学習を深めていく必要があります。何故ならば重力の中で身体を持ち上げるという行為を私たちはたくさんしています。
立位をとる動き一つにしても実は重力の中で身体を起こしていますし、食事の時にもコップを持ち上げ、腕を持ち上げ、水を飲みます。歩行でも片足を地面に載せた時わずかに持ち上げています。ピョンと何かをジャンプして交わすことあるでしょう。パソコンでは指を持ち上げタイピングし、起き上がる時は骨をうまく使いながら持ち上げます。
動きの学習を深めていくには
持ち上げてはダメなのではなく、持ち上げないことも、上手に持ち上げることも学ぶことが必要です。
それは従来のしんどい、努力的なイメージではなく、弾むような、とても滑らかな持ち上げなのです。私たちは現実的に重力の中であまりにも楽に、持ち上げているということを感じ取れないほどに、持ち上げています。それもとても心地よく持ち上げています。
そのためのキーワードは「重力」です。
重力は逆らうものでもなく、逆らわないものでもなく、助けてもらう(利用する)ものです。
私たちは重力を楽に使う構造になっているのです。それを赤ん坊は少しずつ自分の中で試行錯誤し、うまく使えるようになるのです。
3.高齢者も重力の中で楽に動くことを学ぶ必要がある
これは何も赤ん坊だけではなく、高齢者の動けない多くの人は重力と戦うように動くので動けません。力の少ない高齢者ほど重力を使うことを学び、動きを成長ではなく成熟させていく必要があります。成熟とは動きの洗練度上げて、少ない力で動くことです。
シンプルラーニングは学ぶことの理解を深めるながら、重力をうまく使い、そのための身体構造の理解を深めます。重力を味方につけることで人はより少ない力で動き、また重力の中でとても滑らかに動くのです。
このたかい、たかいも持ち上げていますね。
これも持ち上げて行う大事な動きです。
仮に『持ち上げてはいけない』ならば、人は沢山の大切な機能を失うことになります。
持ち上げるとうい意味を本当の意味で理解した時、僕らはさらに一歩先の世界へ進んで行くことができす。